突発性難聴の原因

難聴は音が聞こえにくくなる障害で、主な原因は老化、先天性の脳神経の障害、それにストレスなどでも発症すると言われています。
普通、難聴の基準は、健常者と比べて低音域3周波数(0.125kHz、0.25kHz、0.5kHz)の聴力レベルの合計が70db以上、高音域3周波数(2kHz、4kHz、8kHz)の聴力レベルの合計が60db以下で障害の重さのレベルは軽度、中度、重度、そして障害は伝音性難聴、感音性難聴、また両方の混合性難聴に分類されます。体の外の音を振動に変えて体内に伝える伝音性部分と、体内に取り込んだ振動を電気信号に変換して脳に伝える感音性部分とに別れます。2012年度突発性難聴診断基準(案)改訂では3つの主症状、①突然発症、②高度感音難聴、③原因不明に変更ないが、参考事項として「隣り合う3周波数で各30db以上の難聴が72時間以内に生じた」という点が追加されました。
伝音性難聴は、外耳、中耳に障害が起きて音が伝わらなくなる障害です。生まれつき外耳道がふさがっていたり、中耳炎の合併症などで発症する場合が多く、薬や施術で回復するケースが多いです。感音性難聴は、内耳の感覚細胞、または脳神経に障害が出て起きる難聴です。薬による副作用や内耳炎、老化による蝸牛内部の有毛細胞の減少によっても起こります。
突発性難聴とは生来健康で耳の病気を経験したことのない人が、明らかな原因もなく、あるとき突然に通常一方の耳が聞こえなくなる疾患です。カイロプラクティックの創始者DDパーマが最初に治したと言われるのが、突発性難聴です。突発性難聴に似た急性低音障害型感音難聴(ALHL)がありますが低音部に限局した原因不明の感音難聴ですが内リンパ水腫が原因の一部として関与しています。当院ではこの急性低音障害型感音難聴も施術の対象としています。
難病情報センターJIDICの統計によれば、突発性難聴の患者さんに野菜の摂取が少ない傾向があることや、おたふくかぜ、はしか、みずぼうそう、じんま疹、胃腸炎、感冒、高血圧、糖尿病、心疾患の既往が突発性難聴の患者さんに多くみられ、生活習慣病の側面があると伝えています。そして突発性難聴の原因としては、ウイルス感染説と内耳循環障害説があると言われています。

当院では第VIII脳神経以外に顕著な神経症状を伴うことはなくカイロプラクティック所見として最も合理性のあるアプローチとして内耳循環障害説を第一選択として考えております。環椎後頭関節の可動障害が発端となり、後頭骨や第一頚椎のサブラクセーションが後頭下筋群の過緊張を作り、それにともなう内頚動脈や椎骨動脈の循環障害により内耳を通る血管やリンパの痙攣や循環障害が考えられ、その一番の原因になるものは潜在的ストレスで、自律神経の乱れを作り頭蓋に与える諸条件として頚部から胸椎にかけての筋緊張が、顎関節や頚部の過緊張を招き、循環障害を作り出して内耳系の感音性難聴を発症すると考えています。よって施術に当たっては頚部の筋緊張を取り、後頭部、頚部 の関節のロッキングを矯正し、それらと相関する顎関節の調節が重要と思っております。

まず最初に、ウィルス性内耳炎によるものを除外してから、リンネテストとウェーバーテストを行い次に低音から高音の音叉によるテストとオージオメーターによる純音聴力検査(125〜8000Hz)をやり聴力レベルを確認します。感音性難聴とわかれば、内耳の蝸牛器官の聴覚細胞に問題があると評価し、蝸牛に接する膜や蝸牛器官あるいは前庭神経、鼓室神経、鼓索神経等に刺激を与える可能性を考えます。内耳道には顔面神経の顔面神経運動核や内耳神経、中間神経が存在します。顔面神経は鼓膜に極めて近いところを走っているので、内耳の病変に際しては顔面神経が侵されることがありますから、顔面神経の支配を受ける筋等、及び表情筋と、広頚筋、茎突舌骨筋、アブミ骨筋、顎二腹筋後腹などに対して間接的入力刺激効果を狙った耳介ドレナーユを行います。さらにその周辺にある動脈、リンパ節の内頚動静脈、内耳動脈、耳下腺リンパ節、また耳管に分布する外頚動脈の枝である上行咽頭動脈や、顎動脈の枝である中硬膜動脈、翼突管動脈の血流改善をはかるタッピングを行いオージオ・プリカーサーで耳介周辺の血流を高めます。内耳の動脈は骨迷路に分布するものと、膜迷路に分布するものがあります。骨迷路に血液を供給する動脈は、周辺部の側頭骨に分布する動脈と同じです。顎動脈枝の前鼓室動脈、後耳介動脈枝の茎乳突孔動脈、中硬膜動脈の岩様部枝、それに膜迷路に血液を供給する迷路動脈に、血液循環を促すBCTプレッシャーを行います。それに加えて、後頭骨のサブラクセーション特に側頭骨変位およびに頸椎、胸椎の関節可動域の改善、顎関節(TMJ)の位置を調整することによる内耳器官の蝸牛や三半規管の機能修正と血流改善を試みます。

当院の症例では、朝、急に左の耳が聞こえないことに気付き、耳鼻科を訪れステロイド点滴、高圧酸素、ブロック注射治療を試みたが効果が認められず、鍼灸や他の施術で効果がなかったことを訴えた男性のケースで、256Hzの音叉でも全く反応が無かったのが、7回目の施術で指こすり音や256Hzの音叉が聞こえることが確認されました。その後の施術でもティッシュペーパー音が聞こえるようになり、10回目の施術では全く聞こえなかった人間の声(高音領域)が耳元で聞こえるまで回復したケースもあります。施術はすべて痛みのない非常に静かな施術です。カイロプラクティック適応の場合、標準的施術は難聴レベルによって1回から12回ぐらいかと思われます。突発性難聴は80〜90%の高頻度に耳鳴りを伴います。難聴が治癒した場合には耳鳴りも消失する例も多いですが耳鳴りが残るケースもあり合わせての施術が必要になります
また脳血管障害や自己免疫性疾患、ムンプス難聴、小脳橋角部腫瘍、聴神経腫瘍、ヘルペスウィルス性難聴、内耳道狭窄、椎骨動脈閉塞、外リンパ瘻、内耳梅毒、聴覚器官や平衡器官の感覚細胞損傷、その他適応外症状などの場合はカイロプラクティック適応とはなりませんのでご理解ください。

参考:厚生労働省特定疾患急性高度難聴調査研究班、2012年度改訂

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