不整脈は危険?

不整脈は心臓が悪いから起こるのかというと、必ずしもそうではありません。不整脈にも問題のないものもありますし、多くの不整脈は問題ないことが多いです。経過観察するものや要注意なものとさまざまで洞房結節 (洞結節)の調律異常、異所性刺激期外収縮、副伝導路や刺激伝導遮断といろいろなケースがあります。
心不全の自覚症状からの心不全の重症度評価の一つにNYHA(New York Heart Association)があります。具体的には
I度:日常生活では症状なし。
II度:安静時には症状はあらわれないが、日常生活の中では比較的強い労作で症状があらわれる。
III度:安静時には症状はあらわれないが、日常生活の中でも歩くなど比較的軽い労作で症状があらわれる。
IV度:安静時にも症状があらわれ、ごく軽い労作で症状が悪化する。
NYHA II度やIII度の慢性心不全の人は、突然死の割合が多いと統計に出ています。その多くの原因には心室頻拍や心室細動といった、不整脈の中でも特に危険な致死性不整脈が原因になっているのです。ですからいずれの場合でも不整脈を放っておくのは危険です。一般的に慢性心不全の人には、さまざまな不整脈があらわれます。不整脈が心不全を増悪させる一方で、心不全増悪によって不整脈が出現しやすくなるという悪循環になります。例えば、心室期外収縮の波形が3連発以上の心室期外収縮、つまり心室頻拍の出現頻度は実に40〜70%もあり、心臓突然死は9〜22%にもなります。心室期外収縮や心室頻拍は危険ですが、不整脈の薬を投与してこれらの不整脈を治療しても、かえって生命予後を悪化させてしまうことも示されています。ちょっと驚きですね。中でも心機能が低下した慢性心不全の人は、特に抗不整脈薬の投与によって生命予後が悪くなるのは、多くの抗不整脈薬が陰性変力作用という心臓の収縮力を弱める作用や、薬によって不整脈を悪化させてしまう催不整脈作用があるからと考えられています。I群抗不整脈薬などを使用すると期外収縮は減少しますが、心不全によって陰性変力作用や催不整脈作用があらわれやすくなってしまうので、かえって危険であるばかりか、多くの場合生命予後を改善することもできません。不整脈が減ったのに、予後が改善しないことが、過去の研究で証明されていますと東京医科大学八王子医療センターの大島一太医師は述べています。その点カテーテルアブレーションであれば90%前後の治療成功率で治る可能性はありますが、ごくまれに合併症もあります。

当ニューヨーク・カイロプラクティックでは非薬物治療を主体の栄養食事療法、運動療法、第1胸椎から第4胸椎からでる交感神経系や迷走神経そして交感神経や副交感神経とともに、横隔神経が心膜に知覚繊維を送っているのでそれらの調節をします。また心臓に対するチャップマン反射を使って心筋の状態や下腿に走る動脈等のある程度の動脈の硬さを調べ、それに対する緩和操作をやります。縦隔に直接刺激を入れたり心膜や心臓および心臓の周りを走る冠状動脈やそれにまつわる動脈に刺激を与える方法はしません。特に食事療法と太極拳運動療法、呼吸療法は不整脈による症状の改善となります。当院でも呉式太極拳の簡易版を教えています。以前にも書いたのですが、運動療法では2003年、Journal of Cardiopulmonary Rehabilitation誌に”Tai chi as an adjunct to cardiac rehabilitation exercise training” (心臓リハビリテーションとしての太極拳)という米国のレポートが掲載されました。それによると、いくつかの研究報告を引用したうえで、心疾患患者に対す る太極拳は① 運動耐容能の向上、② バランス能力の向上、③ 転倒リスクの軽減、④ ストレスの軽減などの効果を有し心臓リハビリテーションとして有効 であると結論されているように、当院でも簡易版の簡易式太極拳を奨励しています。太極拳は安全であり、太極拳中に心筋梗塞や心停止、急性心不全の事故など の報告は現在までされておりません。また太極拳は副交感神経機能指標の一つである圧受容器反射感受性(BRS)の改善傾向や認知機能に対する効果も認めら れています。
引用・参考文献:
大島一太(2012)「心不全」日総研出版
竜野勝彦、重松宏(2011)「心臓血管外科テキスト」中外医学社
Taylor-Piliae(2003)「Tai chi as an adjunct to cardiac rehabilitation exercise training」Journal Crdiopulm Rehabil.
石原俊一ほか(2006)「心臓リハビリ患者における太極拳プログラムの心理学的反応と副交感神経機能への効果」心臓リハビリテーション

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