骨粗鬆症でみえてくるもの

骨粗鬆症は骨の構造上の支持構成部分の骨梁が減少することによって骨がカスカスになって骨の支持が弱くなる病気です。一般的に女性に多く早い人では40代初期から現れます。50代の閉経後にホルモンや栄養の乱れから発生しやすく60代からは急速に高齢になるに従い、その出現率は高まっていきます。もちろん男性にもあてはまり加齢とともに腸管からカルシュウム吸収が低下することで骨粗鬆症になりやすくなります。その他原因になるものとして内分泌疾患、胃や腸の疾患および腸管吸収障害、胃の手術による切除、ステロイド系製剤の服用などがある。要するに骨粗鬆症は体内でカルシュウムが何らかの原因で吸収されなくなるかカルシュウム自体の不足になることが原因なのである。カルシウムは元素記号Ca、原子番号20、原子量40.08の銀白色の軟らかい金属で水に溶けないという性質を持ち、カルシウムは骨および歯の主要構成成分で骨を支持するためには必要不可欠なものなのです。子供の成長時期には特に骨自体の成長にカルシュウムは欠かせません。それ以外にも血液凝固や酵素反応、筋肉の収縮、神経筋の興奮、ホルモンや神経伝達物質など多くの身体の生理機能調節のために必要です。骨は常に骨を作る骨芽細胞と骨を破壊する破骨細胞のリモデリングによって破骨細胞によって壊された古い骨を血中のカルシュウムを取り込んで新しい骨を作っています。しかし体内にあるカルシュウムが不足し続けると自分の骨を溶かして血中濃度を調節しようとしますので、これが起こると本当に悪循環が始まります。カルシュウム不足が長期に渡って不足すると骨粗鬆症や小児のくる病、その他高血圧、骨量減少、骨折、動脈硬化、栄養障害、免疫障害、糖尿病、変形性関節症、認知症、筋痙攣など多くの疾患を引き起こし始めます。そして筋骨格系に与える影響は大変大きくなり、骨代謝障害として骨自体がもろく骨軟化症、骨粗鬆症となりますから骨折しやすくもなり、また脊柱が前に屈曲し始めたり側弯したりしていきます。それによって一番重力で支える腰椎の4番、5番に負荷がかかり骨が早くすり減ったり潰れやすくなります。椎間板もすり減る比率が高くなり両足で支える大腿骨頸部や大腿骨頭部の磨耗の進行も早くなります。そうなると体のあちこちが痛くなり関節リウマチや多発性神経炎のような症状すら現れることがあります。本来、骨には神経や血管がないので痛みが出ることはないのですが、痛みは神経や血管が通っている骨膜を介して出るのです。私の患者の中で80代女性のケースですが、突然鼠蹊部が痛み歩くこともままならぬ状態になったそうです。病院で動脈エコーとレントゲンを撮ったのですが骨折も大腿動脈閉塞症の問題もないとのことで帰らされたそうですが、明らかに大腿骨頸部に疼痛を持ち、脊柱全体に後弯と側弯を持っており、食事が1日1食で食事内容を聞くと明らかにカルシュウム不足が判明したので、再度病院に骨粗鬆症がないかレントゲンを撮るようにアドバイスしたところ、やはり結果は骨粗鬆症であった。問題は例え、カルシュウムを摂っても腸内で吸収される環境が整っていなければまったく意味がないので、病院でカルシュウム静脈注射以外にも、カルシウムの吸収を高めるカルシュウム2に対してマグネシウム1の割合のサプリメント、ビタミンD、ビタミンB12、腸内環境改善を促進するアシドフィルス菌のサプリメントを医師と相談して摂るか、医師が処方する類似の薬を摂るようにアドバイスした。

参考文献:
清村紀子・工藤二郎(2014)「機能障害からみた体のメカニズム」医学書院

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