頸動脈硬化と首の関係

近年、首の周りの筋肉が硬く拘縮している人が多くなっております。夜中に足がつったり寝返りをうった時に首すじに硬い違和感と痛みが走ったり頭痛することがあれば要注意です。ただの首こりではなく動脈硬化の原因が深く関与している場合があります。次のような兆候が一つ以上または複数あればまず、ABI(Ankle Brachial Pressure Index : 足関節上腕血圧比)検査、APG(Acceleration Plethymogram加速度脈波による抹消血液循環分析)と頸動脈エコーの検査を病院でやることをお勧めします。一つや二つの似た症状は誰にでもあるとあなどってはいけません。90%のケースでは自覚症状がないからです。予防とは用心があって初めて成り立つわけですから。

1)片方の首すじが異常に硬いまたは一箇所押すとすごく痛い。
2)首すじの痛みとともに偏頭痛が時々起こる。(めまいを伴うこともある)
3)夜中にふくらはぎや足指がつる。
4)階段を10階段ぐらいのぼると、足が重だるく痛くなる。
5)階段をのぼると動悸がする。
6)歩いていると足が重だるい感覚や太ももの後ろやふくらはぎに痛みを感じる。
7)朝起きると目が充血している。
8)寝ている時に手足がしびれる
9)重たいカバンや荷物を持って歩くと違和感や息苦しい感覚になる。
10)外傷しても傷が治りにくくなる。
11)食後に眠たくなったり、やたらに生あくびがでる。
12)アキレス腱のくびれがなくなってきている。あるいは厚みが1cm以上ある。
13)足首あたりの皮膚の色が黒ずんできた。
14)手足が冷たく青白い。
15)冷や汗がでる。
16)息切れがはやい。

ABI検査は動脈のつまり具合を検査し、APG検査は血管年齢を検査し、頸動脈エコー検査では頸部血管(総頸動脈、内頸動脈、外頸動脈、椎骨動脈等)の内中膜複合体厚(IMT : Intima Media Thickness)の測定、総頸動脈径の測定、カラードプラによる血管内腔狭窄の有無、パルスドプラによる血流速度の測定などによってプラークの評価と狭窄率を評価できます。これらの検査で頸動脈の動脈硬化がわかれば動脈硬化性疾患の状況把握と今後の予防対策が可能だからです。なぜならば頸動脈の動脈硬化は虚血性脳血管障害や虚血性心疾患とも深く関連するものです。普通、頸動脈の観察には頸動脈エコー以外に血管造影、MRA、3DCTなどがありますが血管造影は侵襲的であり造影剤を必要としますが頸動脈エコーは非侵襲的でかつ放射線の被爆がないので安全でしかも短時間で終わります。動脈硬化は一箇所に留まらず、頸動脈に動脈硬化がある場合は他の箇所にもある可能性が大きいことは統計学的にも証明されています。頸動脈狭窄率が高くなれば冠動脈疾患率が上昇し、また脳血管障害も多くなります。頸動脈エコーで低輝度プラーク(潰瘍形成タイプ)そしてED ratio1.4以上およびECST法で70%以上の狭窄があれば、さらに脳血流シンチやゼノンCTで脳血流の評価をしなければなりません。もしプラークが見つかった場合はコレステロールの酸化が動脈硬化や血栓の原因となるのでコレステロールを下げるだけでは動脈硬化の改善や予防にはつながりません。医師と相談しEPA(イコサペント酸エチル)投与や天然ビタミンE、納豆から抽出したナットーキナーゼを摂取して改善を試みなければなりません。また徹底した糖質と脂質管理およびアルコールの禁酒も併せて必要になってきます。
また下肢に動脈硬化があれば閉塞性動脈硬化症(ASO: arteriosclerosis obliterans)が起こる可能性も考えられます。歩いている時や階段に昇る時にふくらはぎが重くどんよりした痛みを感じ、しばらく休むと痛みが引く場合は要注意です。

頸部の血管でプラークができやすい場所は頸動脈洞の内頸動脈側です。総頸動脈は第4頚椎レベルから少し上あたりで内頸動脈と外頸動脈に分かれる分岐部で少し太くなった頸動脈洞(CB)がありこの分岐点で血流方向が変わるため血管壁に圧力が加わり動脈硬化ができやすいのです。また椎骨動脈は細い血管で特に起始部や第一頚椎横突孔で急激なカーブを形成して脳底に入るのでこの場所や通過後の後下小脳動脈(PICA)分岐前後で狭窄やプラークができやすく、仮に頸動脈洞の内頸動脈側付近に動脈硬化ができ長い間に石灰化が起きているのを知らずに、整体やカイロプラクティックで首を回旋させられて第4頚椎をボキッと矯正されると回旋角度と矯正方向の瞬間高速振幅度合いによっては命に危険な可能性が生じるわけですから充分注意が必要です。

当院では、症状や問診および首の拘縮度やABI、APG検査で要注意な場合は頸動脈エコーを病院で検査するように勧めて問題がない場合以外は矯正することはしません。また当院での矯正は健常者で本人が希望し安全が確認されれば、手での矯正は回旋せずにしますが、それ以外は自動矯正装置を使ってやりますので安全で正確です。

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